Audit(公査)Bureau(機構)of Circulations(部数)の略称。
新聞/雑誌発行社からの部数報告を公査しその結果を公表する団体。
結果は、「ABCレポート」として会員へ配布される。種類は二つ:
これらの数字は08/02月以降、ウェブ上でも公開されている模様だが、いずれにせよ一般公開ではない。広告主でも会員になれるので、大きな会社は入会して公査レポートの数字を貰い、広告出稿の参考にしているようだ。賛助会員でもある程度の情報を貰えるらしく、会員名簿にはメディア研究の大学機関なども載っている。
新聞や雑誌に広告を出す場合、「ウチの発行部数はこんなにあるので、広告代はこんだけください」という話になるが、そこで水増し部数を言われても通常、広告主には確認手段が無い。
それぢゃマズいだろ(新聞/雑誌というギョーカイ全体が社会から信頼を失ってしまふ)という事で、始まったと思われる。
ひらたく言うと、広告費の相場決めるのにズルが無いよう相互監視しましょうね! みたいな。
1914年* にアメリカで誕生。世界各国に存在し、役割も共通。大原則は、広告スペースの売り手である発行社*、買い手である広告主**、それを仲介する広告会社***、これら三者の共同機関であること。日本では1952年にABC懇談会として発足、1958年通商産業省(現経済産業省)により社団法人として認可。
1895頃より、ジョーゼフ・ピューリツァーと激しい部数競争。両者ともイエロー・ジャーナリズムとかポピュリストとか呼ばれつつ(アオリ気味の論調で)事業を拡大、今日の国際通信社や雑誌発行社の基礎を作る。
数を売るならナニカを叩くのが手っ取り早いし、ヒトは「正しい事」が大好きだ。→米西戦争。
そして「正しい事」の源は信頼を受ける。後、ハースト、ピューリツァーともに米国下院議員。
ちなみにイタリアの第74代、79-80代、82代首相を務めるシルヴィオ・ベルルスコーニは、全国的な地上波放送を行う民放4局のうち3つを所有、イタリアのメディアの70パーセントをコントロールするといわれる。
wikipediaには、ピューリツァーは1892年にコロンビア大学に世界初のジャーナリズムの学校を設立する金銭を提供することを申し出たが、大学はその申し出を拒絶したとある。新聞なんざロクなもんぢゃないという事かもしれないが、コ大は学長が変わった後、ジャーナリズム大学院を設立しているので(1912)、ものの見方は人次第という事かもしれない。一般に「良いところなど一つもナイ(悪いとこなど~、でも可)」には害の方が多いし、既存分類ぢゃどもならんとみれば速攻で拠点を作ってしまうのがアメリカの大学の怖さだ。
*発行者
新聞社の加盟は多いが、雑誌/専門誌/フリーペーパーの加盟率は必ずしも高く無いらしく、日本ABCではたびたび加盟促進キャンペーンをやっている印象。
たくさんある公益法人(社団や財団)は、「ああ、おたくは公益性がありますね」という認可を担当官庁から貰い、見返りに天下りの席を用意する。会費で支えられてるので「民間団体」。でもやるのは「公益事業」。でも「ギョーカイの意向」は無視できない。天下りを受け入れない「キレイな団体」は脇に置く。
ギョーカイから見た天下りは、霞ヶ関の情報を取り、そこに自分らの意向を伝える媒体だ。
霞ヶ関から見た天下りは、ギョーカイの情報を取り、そこに自分らの意向を伝える媒体だ。
公益法人は、対官ロビーの場でもあり、霞ヶ関の手足(産業政策の調査/立案/実行機関)でもある。
例えば官僚が政策や法案を考える時には、各種公益法人の情報を下地にする。
この「事実上の行政機構」は、受益者負担で機動的。一心同体不透明。
吉:「諸外国ではあり得ない低コストと速度で、行政が進む。ただし外国からは不透明」。
凶:「政府と業界が一心同体で動き、しかも利権くさい。かつ国民と外国に不透明」。
「コクミンのしあわせ総量」を増やすのが吉、減らすのが凶。
「もはや戦後では無い。今後は自前の技術開発が成長の鍵を握る」とか、「追いつき追い越せ!」とか、ギョーカイもカンリョーも、おとなもこどももおねーさんも、みんなが「そうだそうだ」と思ってりゃ、このシカケも悪く無い。
「みんなのキモチ」がバラけだすと、非民主的で不透明で利権がロビーで腐敗腐敗!とか、なりがち。
経済が、輸出主導型→内需主導型になってくると、あるギョーカイの利益は他のギョーカイの不利益になりがち。全国民に影響するギョーカイの利益増大は、全コクミンの不利益になりがち。
全体としては「事実上の行政機構」 は、内需主導型経済に向かない印象がある。しかし「透明で民主的な行政機構」は、税金で運営するものだ。端的には、買えば数万はする「XX産業の市場規模と今後の動向」を「どうぞ!」「どうも!」とは行かなくなる。そのほうが独立系シンクタンクの売上げが上がるが彼らの売値は一桁違う。出所は税金になる。
吉凶は、シカケにも依るが、ヒトに負う部分もデカイ。
専務理事は、一般に天下りで、唯一の常駐役員。大きな公益法人では霞ヶ関のキャリア組の事が多い。
タマにいるのよそーゆーヒトが。
***以下、地の文は引用、緑字が本文、文字装飾オレ***