クリーンアップ
大塚康生
動きのラフ・スケッチである原画は、通常アシスタント・アニメーター(動画家)の手に渡り、あいまいだった線はきれいな一本の線にまとめられ、さらに原画と原画の間に指定された枚数の動画を入れて完成します。
原画を一本の線にまとめることを「きれいにする」という意味でクリーンアップといいますが、このクリーンアップされた動画こそ、最終画面で観客が目にする「絵」ですから、作業にあたっては最大の注意が必要です。
機械的な中割、あるいは原画の意図を正しく読み取っていないクリーン・アップの手にかかると、それまでの努力は水泡に帰してしまいます。次の点に注意して描いて下さい。
クリーンアップ十戒
- きれいな絵を描こうとするより、うまい絵を描こうとするべきである。
- その絵の前の絵、その絵の次に来る絵の動きやポーズがしっかり決まるまでは、どの絵もクリーンアップしてはならない。
- 一本の線も無駄にしないこと。どの線も姿勢、雰囲気、動作、あるいは性格を表現しているのだ。
- これが最高だと確信出来るまで、他にどんなイメージも持たないこと。あなたの使命はスクリーン上にもっとも強力なイメージを展開することだ。
- 説明過剰にならないこと。
- 各キャラクターは常に、空間を動く、重力に作用されたかたまりとして考えられなければならない。
- あなたに欠けているものを与えてくれる人々に頼るべきである。
- 知識を具体化するために物事を学ぶのではなく、独創的に応用するために、原理から学ぶべきである。
- 常に量という概念を念頭に置くこと。
- 注意深く! しかし臆病になってはならない。
※知った場所:[アニメ]大塚康生の「クリーンアップ十戒」(愛・蔵太の少し調べて書く日記:2007年1月10日)
※pdfリンク切れにつきhtml化
最終更新:2008/02/05