2005 | 2006 | 2007 | メモ | |
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有料音楽配信 | 34,283 | 53,478 | 75,487 | |
インターネット・ダウンロード | 1,851 | 5,027 | 5,923 | ← iTS |
モバイル | 32,340 | 48,240 | 68,016 | ← 着うた |
その他 | 92 | 211 | 1,548 | ← サブスクリプションなど |
CD | 359,376 | 344,135 | 327,018 | |
アルバム | 310,945 | 293,671 | 280,230 | |
シングル | 48,431 | 50,464 | 46,788 | |
合計 | 393,659 | 397,613 | 402,505 | ← CDの減少分を補なって横ばい。 |
マカだと、巡回先が「アメリカのiTSの売り上げが好調だ!」とゆうニュースに接する機会が多く、脳内イメージがそっちで固まっ てしまっていたので、実はこの表は結構インパクトがあった。
レコ協が有料音楽配信の統計を取り始めたのは2005年。iTunes Music Store JAPANは同年8月に開始、着うたはこれに先行して2002のau、2003のボーダフォン(当時)、2004のDoCoMoと出揃っている。非常にざっくりだが、「インターネット・ダウンロード」が iTunes Store、「モ バイル」が着うた、と見て差し支えないように思う。
2007年の有料音楽配信は、総額750億円で、前年同期比141%。この伸びがCD売り上げの減殺分を支えている。売り上げ750億のインパク トだが、先頃撤退を発表した三菱電機の携帯電話事業の年間売り上げが1千億。利益率を考えると、有料音楽配信のGDP貢献度、つまり国内 経済に及ぼす影響は、三菱の端末事業よりデカイ。この内90%を占める680億が着うたであり、60億 に過ぎないiTSの11.5倍の売上げがある。
これだとレーベルも着うたユーザーも、パソコンおたくがWeb上でゴタゴタ騒いだって、眼中に無いだろう。キャリアは決済代行に徹し、レーベルが 自由に店を出せるシカケの勝利だと思う。同じ垂直統合でも、ビジネス的には国内キャリアのほうが各レーベルの自由度が高く、結果的に総タイトル数やライン ナップのバラエティが充実していると思われる。また、携帯電話は、常時携帯・常時接続・常時電源オンの販売店でもある。ここでAppleと国内キャリアを 「おなじ垂直統合」呼ばわりするのは、どちらも「インターネットのシェル」というほどの意味合い。
もちろんiTunesのようにワンストップで検索出来た方が「解り易い」のだが、あの売り方で「ヒット曲」は出ないよね。
■「街鳴り」という伝播ルート
NHKニュースウォッチ9(2008/03/04)によると「街鳴り」という現象が販売を加速している。
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※右端の人は、仮に一曲 350円x65曲として19,500円。 |
ようするに、着信音がラジオや有線やツレのクルマのカーステレオになってる、とゆう事ダナ?。
そういう事なら、「着メロに適した曲を作って」、「"街鳴りコミ"にばらまいて一気にかっぱぐ」という手が使える、、、あー、それで最近ふにゃふ にゃしたのが流行ってんのかなぁ。「曲のイメージが30秒に収まって、かつ暮らしの中でいつ聞いてもハマる感じのもの」っつうと、あまり激しいのやドラマ チックなのは、この伝播ルートとは相性が悪そうだ。
■「とる」という言い回し
インタビューでは3人ほどが出て来たが、全員が「とる」という動詞を使った。この言い回しだと違法ダウンロードとの区別が付かないような気もする が、そこ含めての成長かと思う。また、「街鳴り」や「とる」などのコトバの発生は、「携帯で音楽」が既に生活行動の一環として定着している事を示す。
であれば、「違法にアップロードされたファイルのダウンロード禁止」&「Lマーク運動」の後ろには、「違法着うた」にはそろそろご退場いただくべ き頃合いだ、、、という判断があるのではないか。
※インタビューに応えてた人が違法ダウンロードしてるんではとかそういう意味ではありません。為 念。
■余談:ポップカルチャーについて
いや、カラオケが流行ったときはサビアタマっつってな?イントロが曲の山場、みたいのが流行ったんすよ。アムラーとかいってな?あれが好きとか嫌 いは別にして、時代だろ?その積み重ねがポップ・カルチャーだと思うわけ。
あったりまえの事だが、「日本人に売れる曲」を作らせたら一番ウマいのは日本人だ。同様に、「日本人に売れる方法」を考えさせたら一番ウマいのも 日本人だ。二つ揃っ てポップ・カルチャー。「サクヒン」はそれだけで成立するものぢゃない。購入機会・接触態様含めて風俗文化。例えば、ジャズ喫茶。
インタビューに出てた人たちが「昔は街鳴りってのがあってな?」みたいな話をする日が来るかどうかは、CDしか買わない自分には関係ない事だし、 今の着うたの在り様や音楽レーベルの振る舞いに文句が無いわけでもないけど、マカとして、ここ2~3年ずっと気にしてる事がある。
デジタル・コンテンツ・ディストリ ビューションをAppleに任せきるってのはね。独自の風俗文化の芽を摘んじまうって事なんだよ。DRMもデバイス群も流通回路も完全閉鎖系のApple は、日本のソフトパワーのクリア・アンド・プレゼン ト・デンジャーなんだよ。
■余談:ケータイ・デバイドについて
移動端末からのインターネット利用者数は、2005年末にPCからの利用者数を抜いている。
2006/05/22 Japan.internet.com Webマーケティング - ネット利用端末、携帯電話が PC をはじめて逆転――総務省調べ
上記記事によると
との事なので、20代~40代はケータイ・リテラシーの高い層にサンドイッチされてる形。20代~40代の中にも、ケータイしか使わない層が3割 はあるわけで、パソコン中心の人とソレ以外の間には、うっすらと「ケータイ・デバイド」とでも呼ぶべき感覚差があると 思われ。