「チベット暴動のニュースを集めよう」という場合、どこのサイトが一番楽か比べてみた。とはいえ個人的な印象に過ぎず、また個々の記事内容にも踏み込んでいません。
記者ブログなどで、「事実上のWebファースト」を鮮明にしている産経と、トップはアレでもWebチームが頑張る朝日が双璧だと思っていたのですが、最終的には朝日が抜群、以下毎日、読売、大きく引き離されてMSN産経という印象を持ちました。
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ラサ暴動の第一報から数日で特集ページ立てるシカケは、この4紙の中ではasahi.comにしかないようだ。毎日・読売は、紙の編集部の整理方法を持って来たような印象がある。MSN産経は、はっきり言って「雑」だ。記事の中身とは関係ないが、見出しに「!」や「!?」が入ると冷静さに欠ける印象があり、別に産経嫌いぢゃないけどなんかムカついたw。見出しのびっくりマークは記者ブログのようだ。あれ自体は面白いが、報道記事と同列リストに並べると全体がワイドショーじみる。それともそうしたいのか。
新聞社がwebに乗り出す際の強みは、速報性より取材力よりワンストップ・サービスより、オリジナル・データベースを持ってる事だと思う。 User-Generated Contentの中から玄人はだしの存在が出て来たところで、ニュースに関してはPro-Generated Contentには敵わない。「よりマシな見解」は蓄積情報の再構築から生まれるものだ。朝日新聞社全体のバイアスにはゲンナリするものの、少なくとも asahi.comの人たちは良く解ってらっしゃると思った。
新聞記事をwebで提供する最大の強みは、速報性の他に、関連記事集約の容易性があると思う。ひらたく言えばスクラップせんで済む事。「スクープ」が一日二日を争う競争だとすると、「特集ページ」で三日四日を争う競争とか起きないかな。PV的には、特ダネ/はてぶホッテントリの瞬発力と、 Wikipediaの一人アタマPV数を併せ持つコンテンツを目指せる筈だ。
いまや天声人語みたいのは誰でも書いて世に問える訳で、となりゃ「よりマシな天声人語」を書くための素材屋さんを目指すというのは、アリだと思う。…ここでふと「支那爺にシナジーを説く」というフレーズが浮かびましたが意味わ知りません。…主筆復活とかノスタル爺にしか見えねぇよな!
2008初春現在、各社とも一定期間でWeb上から記事を取り下げてしまうが、もしも、各社がこの方針を転換するような日が来れば、アーカイブの整理方法、切り口が、自社の主張を広める上で重要な武器になるだろう。洗脳戦の要諦は脳内文脈の支配。自分の考えでそこに至ったと思わせる事だ。
フジ産経の種々のシカケは、情報消費材の提供に特化したものに見える。個々の記事には得心する事が多いものの、溜め込んだ情報のリユースが弱いのはちと面白みに欠ける。
と思った。