「続々々々・インターネットに「自殺幇助」を転嫁するマスコミ - 「権力」と「既存メディア」の融合::特集:硫化水素自殺と報道」などに見られる、『(政治家が)法規制によって手綱をとったあとで、ネットの影響力をマスコミ批判に向けさせ、報道管制を実現する』、つまり「政治家は、ことあるごとに五月蝿いマスコミを黙らせたがっている」という構図は、昨今ではずいぶん弱まっているように思う。
テレビで顔が売れた人ほど、当選しやすい傾向があるからだ。自分は、政治家とマスコミは利害が一致すると考えています。
例えば、080502放送の「太田光の私が総理大臣になったら…(日テレ)」で「次の総理は誰がいい?」というアンケートをやっていたが、ゲストでよく出て来るさる議員さん(オレは初見)がランクインして、スタジオが盛り上がっていた。仲良しの議員さんがランクインしていたので出演者みんなでイジる、というのは分からない話ではぜんぜんないし、そこで醒めた事を言うのも無粋だが、
顔が売れる、親しみを持たれる、というのは、政治家やそれを志す者に取って、とても価値のある事だ。
そのまんま東さんも橋下弁護士さんも「テレビのおかげ」。この点に於いて、現在のネットは、テレビにまったく歯が立たない。
これまでは、「マスコミ勝ちパターン」に乗れずとも、「派閥の中で汗をかく」でなんとかなった。しかし、郵政・道路・ガソリン、などなど「地元に金が落ちるシカケ」は、エラい勢いで崩れている。先行きもあまり明るく無い。政治家に取って「マスコミ勝ちパターン」の重みは増している事だろう。
※なお、テレビ見てるのなんてITリテラシーの低いご老人ばかり、などのスタンスはリスキーです。ただでさえ、人口構成比では多数派です。そこに、たかがパソコンやネットの使い方くらいで他人を下に見る姿勢を持ち込んでは、多数派は取れません、、、コレ、口ぢゃなくて商売のやり方に出ると思うんですよ。
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池田信夫さんは『舛添要一氏によれば、派閥の崩壊した自民党では「メディアが最大派閥になった」という。』とか、これも舛添氏の本をひいて『「最大の敵は『みのもんた』」』などと書かれている。「永田町vs.霞が関最高権力を奪取する者は誰か」なる本の目次を見ると、最後の章が、「民意という名の最大派閥」というタイトルになっており、小見出しに「テレビがまき散らすポピュリズムの危うさ」という文字がある。
…当の舛添さん自身がテレビ出身だったような気もするけども、、、「たけしのTVタックル」だったかな?。ま、そりゃともかく。
テレビが「民意の代議士」として「国の政治に作用」しているというわけだ。ネットには、いや少なくとも日本のネットには、そこまでのパワーはない。「まだ」と言うべきかどうかも不明。
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善悪や好き嫌いは脇に置く。「テレビなんか誰も見ない。あんなのに影響されるなんてXX!」という態度は、「恒久世界平和が今すぐ来なきゃヤダヤダヤダ!反対するヤツは敵!!」という態度と良く似ている。真にナニカを望むなら、まず望み得る最善に向かうのが、ほんの少しマシだろう。
対抗手(テキ)の可能行動の列挙は、その第一歩だ。
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自分は、以下の事柄は一つの方向を指し示しているように思う。
① 全国高校PTA連合会の会長さんが公の場で「なぜ保護者に一度も相談がなかったのか。急にやられて一番迷惑するのは子どもと保護者だ」「何を考えているのだろうと思った」とまで言い放つ「青少年ネット規制法案」の推進母体は、ナニカ?
②「総務省が後から過剰規制に待ったをかける」ような「携帯フィルタリング」の推進母体は、ナニカ?
③ 権利者団体の代表者が「コピーワンスの時と同様に、スクランブルの導入についても我々は一切関与していない [URI1] [URI2(サブ)]」と言い切るような「B-CAS/コピワン」の推進母体は、ナニカ?
これらはみな、年間2兆円のTV広告市場を守る方向にはたらく。
この2兆円を分け合うひとびとの既得権益を守る「A.T.フィールド」として機能する。
デンパク → キーキョク → チホウキョク。みっつまとめてデンパキチ。
もちろん、デンパキチの「なかのひと」とて、ネットの伸張を疑いはすまい。如何に、自分たちの利益になるカタチに、ネットを調教し、取り込むか。その為に、いま、やるべき事はナニカ?…を日々考えているだろう、、、おもしろそうだ。
「放送」が情報の伝播経路であるならば、「ネット」も情報の伝播経路の一つに過ぎない。「放送資本」は、ネットを叩くだけではなく、「自分たちが主導するカタチでの取り込み」を企図する可能性は、十分にあり得る。
④ 総務省研究会、放送持ち株会社容認 : 連載 放送改革 :(061006読売)
自分の理解では、これはキーキョクとチホウキョクの合体だ。「放送業界の最大派閥」である地方局は、概ね経営陣に「地元のセンセイ」が居る。つまり、「地元に金が落ちるシカケ」そのもの、「古い自民党」と「第4の権力」のハイ/ロー・ミックスでもある。
日本の広告費、今後伸びるのは? - CNET Japan
テレビ局は知っている。いつかはリビングに置かれたテレビがインターネット受信機として主要な地位を占めることを。テレビ放送とそん色ない動画コンテンツを映し出す能力を持つことを。また、自分たちと同等レベルのコンテンツ制作能力を持つ番組製作業者がインターネット上に現れることを。
その瞬間がまさにインターネット広告のもう一段の飛躍の段階である。現在はまだ、その瞬間の前にある。
ただし、動画コンテンツの製作能力において、自分たちを超える存在がそうは簡単に出てこないことも知っている。テレビ局はそのような「インターネットテレビ」が興隆する段階で、自分たち、もしくはその関連会社が「かやの中」に入りつづけられるよう準備は怠っていないだろう。
また、その準備が万端に整う前は、睨みを利かされたテレビメーカーは満足なブラウザを持つテレビを出すことはできない。
「アクトビラ」や「4th media」など、現在見えている種火が、いつか炎になる時がくる。しかし、その時でも現在のテレビ局系資本の興隆は続くのだと思う。
奥木博一さん(WillVii 株式会社 最高技術責任者)
その準備が整うまでのあいだ、ネットにブレーキを掛ける事(遅滞戦術)も必要だ。
高市法案は死んだ - 池田信夫 blogでは、「青少年ネット規制法案」の中心となった高市早苗議員を、『一貫しているのは、選挙に弱い(人望がない)ためにマスコミに出たがりだということと(略)』と酷評している。
高市議員がどうかは知る由もないが、マスコミに出たがりな議員は、マスコミの害になる動きはすまい。ジバンもカバンも足りなきゃカンバン強化が命綱だ。こうした需要を持つ人びとは、遅滞戦術にたいそう役に立ってくれる事だろう。
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「放送資本=デジタルネット・ラッダイト」が、ネットの伸張を牽制しつつ、その取り込みを志向するならば、まず戦力優位のうちに、全ての手段を駆使して「ネット支持層=ウェブノイド」を減殺すべきだ。
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と、考えると、まぜちゃイケナイ薬剤を敢えて混ぜるような昨今の動きは、まさに「奇貨置くべし」の可能性がある。
自分はこの点からも、「WHOによる自殺予防の手引き」が、人々の常識になる事が望ましいと考えています。その為には、このテキスト自体がいつでもどこでも誰にでも、簡単に目に触れるようにするのが早道です。ググればそれで埋まるくらい。
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