08年08月 - 地デジ受信機累計出荷台数　Fraternity7

　大阪学院大学経済学部の鬼木　甫教授は、内閣府が2007年３月に実施した「消費動 向調査（PDF）」をもとに国内のテレビ台数を1億から1.2億台と想定されている。仮に全数置換を狙うなら、2011年7月までの2年10ヶ月で、あと6千万台を売り抜ける必要がある。これは08～11年まで、毎年2000万台弱の出荷が必要だ。

　2011年6月までに累計1億が不可能である場合、「地デジ難民」が発生する事になる。買う気が無い人々は脇に置き、余裕が無い人々にチューナーをバラまくにしても、「買いたくても品がない（覚悟未完了の地デジ難民）」が出た日にはちょっとシャレにならない。できれば「テレビのみ」の出荷台数にワンセグ並みの勢いが欲しいところだ。

　北京五輪を終えた段階でこのペースだと、残るビッグイベントは2010南アフリカW杯サッカーだろうか。治安・政情の問題から開催地変更問題がささやかれているが、もしこれが日本に来るような事があれば追い風になるだろう。

　より主体的には、値下げが最も効果が高いと思われる。テレビなんか映れば充分だ。という層にはこれが最も効く。

　なお上記の表は、JEITAの発表値とは集計項目を変えてある。「テレビは国家情報インフラ（NII）」と考える場合、少なくともレコーダは除外して考えるべきだろう。

　テレビが世に出たからといってラジオが消えてなくなったわけではない。「ネットがあるからテレビなんか誰も見ない」という事態は、来るとしても何十年も先だと思う。AppleはOS9のサポート停止を、ほとんど話題にならなくなるまで待った上で、ひっそりと行った。本来できるだけ自然交代を待つべきプラットフォームの変更に、あらかじめ期限を区切ってしまったのは難題だと思う。

　フリーオやPT1の出荷台数は当然に詳らかでないが、JEITA発表値を見る限り「テレパソ派」は圧倒的少数のようだ。もっとも08年から「解禁」されたはずの外付けチューナーはこの統計にはまだ含まれていない。

1. 08/04/07：アナログ停波の時期は妥当か――経済学の視点で検証する（上）・ネット時評 ビジネス-ネット時評:IT-PLUS
2. 08/09/29：2008年8月の地デジ受信機器の国内出荷，テレビは対前年同期比23.1％増 - 産業動向オブザーバ - Tech-On!